タイプではありませんが
※
「お前、ここにいたんだ。そろそろお願いするわ」
台所で片付けをしていた楓に柊は声をかける。
「ん、これお年玉。渡しといて」
明日兄家族は奥さんの実家に行くから、子どもたちと会えない。楓は用意していたお年玉を柊に渡す。
「おっ、悪いな。ありがと」
「いいよ。みんなに会えてよかった」
帰ってきたら柊は両親と妹の旦那と酒盛りをしていたので、話が終わるまで片付けをしつつ待っていたのだ。
リビングを見るといつのまにか義弟もいなくなっていた。
妹は実家で同居しているから今頃二人で子どもたちを寝かしつけしているのだろう。
紅白を見ている両親に一声かけ、楓はエンジンをかける。
「あ、ちょっと待って」
楓は走り出そうとしたが、一旦パーキングに戻し、サイドブレーキを引くとカバンから薬とペットボトルの水を取り出して、流し込む。
「言わなくていいのか?」
「うん。言ったら戻ってこいってなるでしょう?」
「まぁ、なるだろうな。元々楓が家出るの反対だしな」
「そうそう」