タイプではありませんが
ついてくる星野に――と言っても同じ部署なのだから当たり前だが――楓は何故かイライラが止まらない。
こんな状態で午後からの仕事に臨んでもミスをしてしまう。だけど、星野に八つ当たりした以上、引っ込みがつかなくなってしまった。
「山下、職場」
さすがに気にしたのか、星野が短くたしなめる。
条件反射でわかってる!といいそうになる楓の腕を引っ張った星野は、自販機コーナーに連れて行った。
「何飲む?」
星野は一応尋ねたが、楓が返事をする前にいつも彼女が飲んでいるカフェオレを購入する。
「はい」
差し出された缶を受け取る。冷えていた指先がじんわり温まってくる。
一呼吸、二呼吸。大きく深呼吸をする楓を横目に星野は自分のコーヒーを購入し、プルタブを空ける。
口をつけた瞬間「うわっ」と声を上げる。
慌てて缶を見た星野は、ガックリ肩を落として呟いた。
「砂糖とミルク入ってた。俺、ブラックしか飲めないのに」
その姿に思わず、ぷっ、と吹き出してしまう。
笑みが溢れた楓に、星野はホッとした様子で笑いかける。
「山下は落ち着いた?」
「うん、ありがとう」
「珍しいね、そんなになるの。数値悪化したん?」