タイプではありませんが


 年明けに早々に病院で検査した際、少しだけバセドウ病の数値は悪くなっていた。ホルモンに関係する病だ。
 数値が悪ければ、感情が不安定になることもある。
 だけど、今回はそれが原因ではないのは楓自身が分かっていた。

 星野の元カノのことが気になって仕方ないのだ。

 これは、まるで……星野に恋をしているみたいだ。

 楓はすぐに自分の思いを打ち消す。
 いや、違う。タイプじゃないのだから。
 頭を振って邪念を振り払うと大きく息を吐いた。そして楓は頭を下げた。
「ごめん」
 これは本当の気持ち。素直に謝れた。いいよ、と首を振った星野に、楓はカフェオレの礼とお詫びの気持ちを込めてコーヒーを購入する。
 今度は星野の好きなブラックコーヒーで。
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