タイプではありませんが
苦虫を噛み潰したように甘いミルクたっぷりのコーヒーを飲み干した星野に渡す。
胸焼けでもするのか、軽く胸を擦る星野に再び笑いが込み上げてくる。
「ありがとう。さて、そろそろ戻るとしますか。昼からも頑張ろうな」
星野は楓の横を通り抜ける際に、ポソっと囁く。
「そんな剥き出しの感情は、二人きりの時に見せて」
コーヒーでダメージ受けていたと思ったけど、楓をからかうくらいの余裕はあったようだ。
(くそう、タラシめ!)
サッと前を行く星野の背中に内心で毒づいた。
再び沸騰しそうになる楓を落ち着かせたのは、手に握っているカフェオレのぬくもりだった。
ふぅ、と息を吐く。
よし、落ち着いた。
前を歩く彼には耳まで真っ赤になった楓の顔は見られていないはず。
楓は、遅れないように星野の後を追いかけた。