タイプではありませんが
それでも。
楓は営業でいたかった。
自分一人で売上を上げていたと驕るつもりはない。今しているような営業事務の人や企画や広報、総務や経理やシステム部、その他の内勤の人の協力があってこそだ。
取引先のニーズを聞いて、自社でどこまでできるのか。社内の支えてくれる部署と相談をして、何かできることがないか飛び回る。
究極の御用聞きだ。
だけど、楓はその仕事をこよなく愛していた。
人と人の縁を繋ぎ、他部署の発想を聞き、どうすれば自社の製品が売れるのか、どうしたら自分の会社のファンでいてくれるか。
常にアンテナを張って考えていた。すぐに結果が出ないことも多かった。
辞めようと思ったことも一度や二度ではない。
どうしたら、もっと良い提案ができるのか。自社が選ばれ続けるのか。
楓が商談してうまくいかなかった取引先。
上司や先輩、そして星野が再度アタックすると成約する。
悔しかった。
売上がいい営業はどうやって結果を出しているのか。
真似して、考えて、行動して。
一年、二年、泥臭く行動をすると、結果がついてきた。
結果が出ると、どんどん楽しくなってきた。