タイプではありませんが
※
約束を忘れてはいなかったけど、昨日の今日だからできれば有耶無耶になってほしかったのに。
出るのを躊躇っている内に電話は切れた。と、思ったらまたかかってくる。
三、四回それを繰り返し、楓は根負けする。
出るまでかけ続ける気だ、きっと。
「……はい」
『やっと出た』
はぁ~と電話口でため息をつく声が聞こえるのを華麗に聞き流す。
「何の用?」
つっけんどんに答えた楓に劣らずぶっきらぼうに星野は尋ねた。
『何号室?』
「え?」
『山下の部屋、何号室よ?』
「なんで……?」
『早く』
「……四〇三」
唐突にガチャリと切れた携帯を呆然と見つめる。
(あ、ホッシーからメッセージ十件も来てる)
昨日から未読にしていたメッセージが溜まっていた。
見るのは、気が重い。
そんなことを考えていると、インターホンが鳴った。