タイプではありませんが
その顔が本能が母性か、楓の核に近いところの感情を震わせる。
「……いいよ」
無意識に口をついて出てきたのは、星野を招き入れる言葉。
お互い、家に入るとどうなるかわかっていた。
昨日は逃げられたが、今日は絶対に逃げられない。
昨日は逃がしたが、今日は絶対に逃さない。
二人の視線が絡む。星野の瞳に昨日の熱の欠片を見つけて、楓は背筋がゾクッとなる。
「山下」
靴を脱いだ星野が楓の耳元でささやく。
「ありがとう」
楓はもう、流される以外の選択肢は持ち合わせていなかった。