タイプではありませんが
※
星野がジャケットとネクタイを外して、楓が差し出したハンガーにそれらをかける。
その間に楓はこたつ机の食器を片付けて、キッチンの電気ポットでお湯を沸かしていた。
「山下」
星野が後ろに立つ気配がする。
「一つだけ教えて。……なんで昨日逃げたん?」
楓は息を呑む。こんな早く聞かれるとは予想していなかった。
答えはある。
でも正直に答えたら、星野を好きって言っているようなものじゃないか。
言いあぐねている楓に星野の質問は止まらない。