アラ還の、恋は野を越え山越え谷越えて
玄関で由佳が『ただいま』と言っただけで、嬉しくなった。

そういえば付き合いだした頃、玄関で『壁ドン』をしたけど、あの時、由佳はまだ付き合ってると思ってなかったし、『壁ドン』だとは思ってなかったんだよな。
今日はどうだろう。
やってみるか?

「匠さん、慌てて転ばないでくださいね」
やっぱり由佳は気がついていない。
とりあえず頬にキスをした。

初心者でも作れるというカレーを二人で作る。
甘やかしたいのを我慢して二人で作る。
これじゃ俺が甘やかされてる。

「匠さん、玉ねぎ切って」
「匠さん、焦がさないようにね」
カレーにチョコレートを入れるんだ。
これからは毎日、二人で作って二人で食べる。
こんな生活悪くない。
遠慮してるが、疲れているだろうから、いや、疲れてなくても片付けは俺がする。

先に風呂に入って休ませる。
上がってきたら髪を乾かしてやる。
『おやすみ』って言ったら船をこいでた。
ベッドまで連れていくとするか。
抱き抱えて連れていくと、しがみついてきた。
小動物のように可愛い。
しばらくベッドサイドに腰かけて眺めていた。

さっさと風呂を済まして寝室に戻ると、やっぱりしっかり眠っている。
初夜はやっぱりお預けか。
今日も抱き枕にして寝ることにした。

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