アラ還の、恋は野を越え山越え谷越えて
私は主人以外の男の人を知らなかった。
だから正直『イク』ということがよく判らなかった。
不感症ではないと思っている。
でも漫画やドラマのような感覚が判らなかった。
でも今、判った気がする。
匠さんと一つになって感じた幸せ。

ボンヤリしてたら、匠さんが私のことも色々片付けをしてくれている。
「やっぱり、性の感染予防は大事だよね」
『こんな時になにを言ってる』って顔で見られてしまった。
「だって、もう避妊はしなくても関係ないのに。だから…」
言いたくないけど、どう頑張ったって子供を産める身体じゃない。
特に早いうちから性行をしてないから、そういう機能が衰えてたのかなぁとさえ思ってる。

「じゃ、無しでやっても良いってこと?」
なにを確認して言ってるの?
「まあ、たぶん大丈夫だと思う…」
答えるとなぜか嬉しそうに、
「じゃ、もう一回、良い?」
聞いてきたのは良いけど、返事も聞かず、また上に乗ってきた。

匠さんは特別?
50代、こんなに体力があるとは思わなかった。

その時、匠さんのスマホが鳴った。

病院からの呼び出し。
「帰ったら続きやるから。今日はおとなしく身体、休めといて」
まるで業務連絡をするように、言って出ていった。

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