この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 コンビニで必要なものを一通り購入し、慶介の家に戻った明日香は、シャワーを借りて、慶介が用意してくれたスウェットへと着替えた。

 彼氏の服を着るという贅沢オプションに一人でテンションを上げる中、慶介はベッドの横に薄いタオルケットを敷いて寝床を作ろうとしている。

 明日香はベッドで寝るようにと促されたが、さすがにこの状況で明日香一人がベッドで寝るわけにはいかないだろう。

「慶介もこっちで寝ようよ。私だけベッドは申し訳なさすぎる」
「あのな、状況を考えてから言え。一緒に寝られるわけないだろ」
「どうして?」

 シングルベッドだが、二人で寝られないことはないだろう。なにも問題はないと首を傾げるが、慶介は大きくため息をついている。

「はあ……俺が男だってわかってるか?」
「わかってるよ」

 当然だと即座に答える。しかし、慶介は否定してくる。

「わかってない。一緒に寝たら、手出したくなるだろ」

 その言葉に鼓動が速まるも、冷静さを保ったまま、また即座に答える。

「いいよ」

 二十代も後半に入った人間が、それをわかっていないわけがない。そもそもここに入れてもらった時点で、そういう展開もあるかもしれないと思っていた。

 なんなら期待していたのだ。慶介と愛し合うチャンスがもらえるのではないかと。

 そのチャンスが巡ってこようとしている現状に、明日香の胸は大いに高鳴っている。

「っ、いいわけないだろ」
「いいの。だって、最初から覚悟してる」
「そんなこと言ったら、本当に抱くぞ」
「いいよ」

 視線を逸らさずに答える。決して引かない明日香に、とうとう慶介が折れた。

「もうどうなっても知らないからな」

 その言葉に対してはっきりと頷けば、ゆっくりとベッドへ押し倒された。
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