この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「にしても、この味噌は本当にうまいな。これ使ったら、なに作ってもうまいだろ」

 慶介は味噌を使ったドレッシングを口に含んでつぶやいている。味噌はもちろん如月味噌だ。

「そりゃあ、如月の味噌だからね。私はこれが一番だと思ってる。味噌だけは絶対にほかのもの使えないもん」

 自慢げに言えば、慶介は笑いながらも頷いてくれる。

「ははっ、それは否定できないな。俺も今まで食べた中で一番だと思う」
「そうでしょう、そうでしょう」

 腕を組みながら、うんうんと頷く。如月味噌を褒められてとてもいい気分だ。

「これ、本当にもらっていいのか?」

 慶介は未開封の味噌を指さしながら問うている。それはこの家にストックしてあったもの。如月の味噌がほしいという慶介にあげたのだ。

「いいよ。親に言ってまた送ってもらうから」
「サンキュ。じゃあ、遠慮なくもらうな」

 慶介ならこの味噌を使って、なにかいいレシピを思いついてくれるかもしれない。近いうちに一緒になにか考案してもいいな。などと考えていると、近くに置いていたスマホがぶるぶると震え出した。

 画面を確認すれば、母という文字が表示されている。

「あ、噂をすれば、お母さんから電話きた。出ていい?」
「もちろん。少し外出てくるから、ゆっくり話していいよ」

 慶介はそう言って立ち上がると、明日香の部屋を出て行った。
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