この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
重苦しい雰囲気の会議室。そこに集まっているのは明日香ら三人のほか、人事部長と開発部長、そして、総務部長の計六人。
件の男は総務部の社員で、鎌田というらしい。二年前までは製造部で働いていたそうだが、材料の投入ミスを隠蔽しようとしたことが原因で、総務部の庶務課に異動させられたのだという。
明日香はまったく面識がないが、驚くことに慶介が知っていて教えてくれた。
ホテルでのあの事件のときは、犯人の顔が見えずに鎌田だとは気づかなかったらしい。慶介にそのことを謝られたが、彼が謝る必要は少しもない。悪いのはこの男だ。
先に明日香から事情を聴いた人事部長が事の次第を語る中、鎌田は落ち着かない様子で貧乏ゆすりを繰り返している。
「――とのことです。如月さん、間違いありませんか?」
人事部長の問いかけにしっかりと頷く。
「間違いありません。この人にホテルに連れ込まれそうになりました」
鎌田の顔が激しく歪む。歯をぎりっと噛みしめ、黙り込んでいる。
もはやその反応が犯行を肯定しているようなものだが、慶介が追い打ちをかけて、完全に鎌田の逃げ場をなくす。
「如月はホテルに連れ込まれそうになったとき、機転を利かせて電話を繋いでくれていたんです。そのときの会話を録音してある。あなたと如月の会話も残っているから、黙っていても、いずれ証明されますよ」
慶介はあのときの通話を咄嗟に録音してくれていたのだ。声から分析できる可能性もある。
さすがに、言い逃れは難しいと思ったのだろう。鎌田は観念してその罪を認める。
件の男は総務部の社員で、鎌田というらしい。二年前までは製造部で働いていたそうだが、材料の投入ミスを隠蔽しようとしたことが原因で、総務部の庶務課に異動させられたのだという。
明日香はまったく面識がないが、驚くことに慶介が知っていて教えてくれた。
ホテルでのあの事件のときは、犯人の顔が見えずに鎌田だとは気づかなかったらしい。慶介にそのことを謝られたが、彼が謝る必要は少しもない。悪いのはこの男だ。
先に明日香から事情を聴いた人事部長が事の次第を語る中、鎌田は落ち着かない様子で貧乏ゆすりを繰り返している。
「――とのことです。如月さん、間違いありませんか?」
人事部長の問いかけにしっかりと頷く。
「間違いありません。この人にホテルに連れ込まれそうになりました」
鎌田の顔が激しく歪む。歯をぎりっと噛みしめ、黙り込んでいる。
もはやその反応が犯行を肯定しているようなものだが、慶介が追い打ちをかけて、完全に鎌田の逃げ場をなくす。
「如月はホテルに連れ込まれそうになったとき、機転を利かせて電話を繋いでくれていたんです。そのときの会話を録音してある。あなたと如月の会話も残っているから、黙っていても、いずれ証明されますよ」
慶介はあのときの通話を咄嗟に録音してくれていたのだ。声から分析できる可能性もある。
さすがに、言い逃れは難しいと思ったのだろう。鎌田は観念してその罪を認める。