この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「明日香ちゃんらしいね。でも、それだと自分のときはどうなるのかな?」
「自分のとき?」
「明日香ちゃんが自分の結婚式するときはどうなのなって思って」

 一瞬、慶介と結婚式をしている場面が脳内に浮かんで顔が熱くなる。明日香はそれを誤魔化すように軽く前髪をいじりながら答えた。

「いやー、どうなんだろ。考えたことないからなー」
「自分の結婚式はこうしたいなって、考えてみたことないの?」

 今度は冷静に考えてみるも、自分の結婚式について考えた記憶がまったくない。

 なにしろ明日香はずっと叶わない恋をしていたから、結婚など夢のまた夢だった。自分が結婚する未来など少しも想像できなかった。

「ないかな」
「それなら、憧れのプロポーズについて考えたことは?」
「それもないよ」

 首を振りながら答える。プロポーズどころか、誰かと両想いになることすら描けていなかった。慶介に恋をするまでは。

 少しだけしんみりとして答えれば、奈菜は楽しそうな顔をして一つの提案をしてくる。
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