この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
奈菜は近くの商業施設に用事があると言っていたから、そこに向かえば会える可能性はある。見つからなかったら、電話をすればいいだろう。
そう考えて、奈菜がいるであろう場所へと向かえば、運のいいことにすぐに彼女の姿を見つけることができた。
「あ、奈菜いた」
奈菜は案内板の近くに立っている。
明日香はすぐに奈菜のもとへ駆け寄ろうとするが、彼女の隣に立っていた人物を見て、思わず足を止めてしまった。
「えっ……なんで?」
奈菜と向かい合って立っているその人はよく知る人物。その人がこの場にいることに、ひどく驚く。
「……どうして慶介が?」
奈菜と慶介は向かい合ってなにやら話をしている。こんなところで偶然会ったとは考えにくいだろう。
慶介は明日香が今日奈菜と会うことも、どこで会うかも知っていた。明日香が伝えたのだから間違いない。
けれど、彼が今日ここに来るという話は聞いていない。奈菜と約束をしたという話も聞いていない。
明日香に内緒で奈菜に会っていることにショックを受ける。
二人は友人なのだから会うこと自体に問題はないが、明日香に告げずに会っているとなれば、なにかやましいことがあるのではないかと疑いたくなる。
もちろん奈菜と慶介の間に、特別ななにかが起きているとは思わない。奈菜が将人を裏切るわけはないし、慶介も二人の間に割り入るようなことはしないとわかっている。
けれど、慶介の心はどうだろうか。奈菜に対してまだ特別な想いを抱いているのではないだろうか。だから、明日香に言わなかったのではないだろうか。
その考えが正しいと言わんばかりに、慶介は奈菜に向かって、信じられないくらいやわらかな微笑みを浮かべている。
「っ」
恋をしているとわかるその表情に明日香の胸はひどく痛んだ。
慶介も自分のことを好きになってくれているのではないかと思っていたが、こんな姿を見せられては、それが愚かな勘違いだったとわかる。
告白をすれば本物の恋人になれるなど思い上がりも甚だしい。ただの偽物の恋人でしかなかったのだ。
明日香は二人に声をかけることなく、渡せなかった土産の袋を持ったまま、一人虚しく自宅へと帰った。
そう考えて、奈菜がいるであろう場所へと向かえば、運のいいことにすぐに彼女の姿を見つけることができた。
「あ、奈菜いた」
奈菜は案内板の近くに立っている。
明日香はすぐに奈菜のもとへ駆け寄ろうとするが、彼女の隣に立っていた人物を見て、思わず足を止めてしまった。
「えっ……なんで?」
奈菜と向かい合って立っているその人はよく知る人物。その人がこの場にいることに、ひどく驚く。
「……どうして慶介が?」
奈菜と慶介は向かい合ってなにやら話をしている。こんなところで偶然会ったとは考えにくいだろう。
慶介は明日香が今日奈菜と会うことも、どこで会うかも知っていた。明日香が伝えたのだから間違いない。
けれど、彼が今日ここに来るという話は聞いていない。奈菜と約束をしたという話も聞いていない。
明日香に内緒で奈菜に会っていることにショックを受ける。
二人は友人なのだから会うこと自体に問題はないが、明日香に告げずに会っているとなれば、なにかやましいことがあるのではないかと疑いたくなる。
もちろん奈菜と慶介の間に、特別ななにかが起きているとは思わない。奈菜が将人を裏切るわけはないし、慶介も二人の間に割り入るようなことはしないとわかっている。
けれど、慶介の心はどうだろうか。奈菜に対してまだ特別な想いを抱いているのではないだろうか。だから、明日香に言わなかったのではないだろうか。
その考えが正しいと言わんばかりに、慶介は奈菜に向かって、信じられないくらいやわらかな微笑みを浮かべている。
「っ」
恋をしているとわかるその表情に明日香の胸はひどく痛んだ。
慶介も自分のことを好きになってくれているのではないかと思っていたが、こんな姿を見せられては、それが愚かな勘違いだったとわかる。
告白をすれば本物の恋人になれるなど思い上がりも甚だしい。ただの偽物の恋人でしかなかったのだ。
明日香は二人に声をかけることなく、渡せなかった土産の袋を持ったまま、一人虚しく自宅へと帰った。