この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「明日香はどうだったんだ? 奈菜との食事は楽しかったか?」

 その問いに対し、一瞬の間があったものの、明日香は笑みを浮かべて答えてくれる。

「うん、楽しかったよ。奈菜が幸せそうですごく嬉しかったんだよね」
「そうか。あの二人には幸せでいてもらいたいもんな」
「そうだね。でも、私は誰よりも慶介に幸せでいてほしい。ずっとそう思ってるよ」

 自分のことを大切に思ってくれているとわかるその言葉に胸が熱くなる。

 慶介も明日香のことを同じように、いや、きっとそれ以上に大切に思っている。

「俺も同じだ。誰よりも明日香に幸せでいてほしい。俺が明日香を――」

 流れに任せて、うっかり大事なことを言いそうになる。慶介は慌てて出そうになった言葉を飲み込み、取り繕うように別の言葉を続ける。

「明日香を知ってから、今日までずっと近くにいたけど、明日香はいつも前を向いていてかっこいいと思ってた。そんな明日香ならこれから先ずっと幸せでいられるよ」

 咄嗟に言い換えた言葉だが、今言ったことは本心だ。絶対にそうなるという思いを込めて、明日香に微笑みかければ、同じような笑みが返ってくる。

「慶介もね」

 優しく見つめ合えば、気持ちが溢れ出してしまいそうになる。このままでは本当になにもかも言いたくなってしまいそうで、慶介は慌ててその場に立ち上がった。
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