この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「じゃあ、試しに言ってみろよ」
「え……?」
「俺が好きだって言ってみろよ。ほら」
すぐに実験しようということらしい。あまりに急で戸惑いつつも、明日香はその言葉を初めて口にしてみる。
「……穂高が好き」
「どうだ?」
少しはときめきが生まれるかと思ったが、己の心の様子を窺ってみても、なにも変化は起きていない。
「うーん、なんともない。無。虚無。心がしーんとしてる」
「おい、失礼なやつだな」
「じゃあ、穂高もやってみてよ」
慶介は躊躇うことなくそれを口にする。
「如月が好き」
「どう?」
「無だな」
ガクッと項垂れる。
「なにそれ、一緒じゃん」
「だったな。でも、これでわかっただろ。口にしたところでなにも変わらないんだよ」
「いやいや、待ってよ。結論出すの早すぎるでしょ」
真剣に実験に付き合ってくれるのかと思ったのに、たったのこれだけで終わりとはあまりに適当だ。明日香を諦めさせるためにやっただけなのではないかと思えてくる。
明日香はこれでは納得できないと眉根を寄せる。
「じゃあ、百回くらい言えばいいのか?」
「いや、数の問題じゃないって。どれだけ言っても台詞みたいに言ったら変わらない気がする。もっとこうさ、恋人らしい感じで言わないとダメだと思う」
ただの言葉として口にしてもときめくわけがない。今さらそんなことに思い至る。
嘘でもいいから、しっかりと気持ちを込めて言わなければ、なにも変わりはしないだろう。
自分で口にしながら、その通りだと頷く。
「え……?」
「俺が好きだって言ってみろよ。ほら」
すぐに実験しようということらしい。あまりに急で戸惑いつつも、明日香はその言葉を初めて口にしてみる。
「……穂高が好き」
「どうだ?」
少しはときめきが生まれるかと思ったが、己の心の様子を窺ってみても、なにも変化は起きていない。
「うーん、なんともない。無。虚無。心がしーんとしてる」
「おい、失礼なやつだな」
「じゃあ、穂高もやってみてよ」
慶介は躊躇うことなくそれを口にする。
「如月が好き」
「どう?」
「無だな」
ガクッと項垂れる。
「なにそれ、一緒じゃん」
「だったな。でも、これでわかっただろ。口にしたところでなにも変わらないんだよ」
「いやいや、待ってよ。結論出すの早すぎるでしょ」
真剣に実験に付き合ってくれるのかと思ったのに、たったのこれだけで終わりとはあまりに適当だ。明日香を諦めさせるためにやっただけなのではないかと思えてくる。
明日香はこれでは納得できないと眉根を寄せる。
「じゃあ、百回くらい言えばいいのか?」
「いや、数の問題じゃないって。どれだけ言っても台詞みたいに言ったら変わらない気がする。もっとこうさ、恋人らしい感じで言わないとダメだと思う」
ただの言葉として口にしてもときめくわけがない。今さらそんなことに思い至る。
嘘でもいいから、しっかりと気持ちを込めて言わなければ、なにも変わりはしないだろう。
自分で口にしながら、その通りだと頷く。