この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「あ、キャッツ&スター」
「如月は知ってるのか?」
「はい。知り合いが好きなんです。それでよく話を聞かされていて」

 キャッツ&スターは女性向けの人気ゲームアプリだ。猫と人間の姿を自在に変えられるキャラたちがアイドルスターを目指すという物語。かわいいとかっこいいを掛け合わせたキャラは女性にとても人気がある。

 明日香は軽くプレイした程度だが、地元の友人が随分とハマっており、時々このゲームのことを熱弁してくる。だから、プレイ時間が短いわりに、キャラのことはよく知っているのだ。

「そういうことなら、なおさら如月が適任だな」
「え?」
「今回の企画はキャッツ&スターとのコラボ企画だ。それぞれのキャラクターをイメージしたパスタソースを作る」

 あまりに規模の大きな企画に、明日香は大きく目を見開く。これほどの人気アプリとのコラボとなれば、求められる成果も大きなものとなるだろう。

 これまで小さな企画のリーダーを務めた経験はあるが、この規模のものは初めて。大きなチャンスに喜びを覚える一方、小さな不安が芽生える。

「そんな大型企画、私がリーダーでいいんでしょうか?」
「如月にもそろそろ大きな仕事を任せたいと思っていたからな。ちょうどいいタイミングだと私は思っている。どうだ? やれるか?」

 部長からの期待の眼差しに、胸が熱くなる。わくわくと心が躍り出す。

 明日香は真っ直ぐに手を上へと伸ばし、元気な声で答える。

「やります! やりたいです!」
「ははっ、如月ならそう言うと思っていたよ。じゃあ、開発リーダーは如月に任せよう」
「ありがとうございます!」

 部長はうんうんと頷き、隣の慶介も笑って「おめでとう」と言ってくれている。

 明日香は満面の笑みを浮かべながら、もう一度感謝の言葉を述べた。
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