この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「よし、リーダーの件はこれで問題ないとして、次はサブリーダーの話だ。今回の企画は規模が大きいからな。サブリーダーもつけたいと思っている。如月のサポート役がほしいんだ。それを穂高にお願いしたい。頼めるか?」

 その話を聞いて、慶介も一緒に呼ばれたことに合点がいく。おそらく断られることは考えていなかったのだろう。だから、二人を同時にここへ呼んだに違いない。

 そして、慶介は予想通り、あっさりと承諾する。

「わかりました」
「そうか、やってくれるか。穂高がいてくれるなら安心だな」

 まったくその通りだと頷く。慶介はすでに大型の企画を成功させた実績がある。これほど頼もしい味方はいない。

「そうですね。穂高、よろしくね」
「おう、よろしく」

 慶介と顔を見合わせ、微笑み合う。そんな二人を見ながら、部長も微笑んでいる。

「二人とも力を合わせて企画に臨んでほしい。普段は随分と張り合っているようだが、君たちが協力し合えば、大きな力を生み出せると私は思っている。期待しているぞ」

 明日香は少し苦い顔をしてから「はい」と頷く。一方の慶介は表情は大きく変えずに頷いている。

 明日香と慶介が張り合っているのは部内では有名なこと。二人はそれが楽しいと思っているが、時折周囲からは小言を食らう。だから、そこを指摘されるとどうしても苦い表情になるのだ。

 だが、部長の言う通り、慶介と力を合わせれば、大きなことを成し遂げられると明日香も思っている。

 明日香はもう一度慶介と顔を見合わせると、互いの意思を確かめるように小さく頷き合った。
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