この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 明日香は消せない恋心に苦しい気持ちを抱えながらも、四人での時間を楽しむ。

 会えない間にあったいろいろなことを語り合えば、四人の空気はどんどん和やかになる。

 そうして随分と盛り上がってきた頃、慶介がよくわからないことを促してきた。

「如月、二人に言うことあるだろ」
「え? えっと……なんだっけ?」

 自分のことを振り返ってみてもそれらしきことが思い当たらない。あるとすれば、慶介と仮の恋人関係になっていることだが、それを言うわけにもいかないだろう。

 その関係はあくまでも実験としてのものであって、二人は今、友人としてこの場に座っているのだから。

 戸惑う明日香に、慶介は一つため息をこぼす。

「はあ、本当に如月は自分のこと言わないよな」
「いや……言うことなんてないよね?」
「大事なことがあるだろ。せっかく四人で会ってるんだから、この場で祝ってもらえよ」

 祝いの言葉に一番に反応したのは将人だった。

「えっ? 明日香、なにかお祝い事があるの?」
「いやいや、祝ってもらうようなことは……」

 いったい慶介はなにを言っているのだと焦る。二人が正式に付き合っているならばわかるが、いつか終わるかもしれない関係を祝ってもらうのはおかしいだろう。

 一人で嫌な汗をかいていると、慶介が小声で耳打ちしてくる。
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