この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 明日香が先導する形で先ほど説明した道を歩く。

 メイン通りの一本横にある裏路地を進み、突き当りを左に。そこからは少し曲がりくねった道を歩いていく。その道をしばらく進めば、見えてくるのは信号のない交差点。

 その交差点を左に曲がり、大通りに出たところで、右の方向へ進めば目的地に到着するが、明日香は交差点にたどり着いたところで急に危機感を覚える。

 交差点から少し歩いたところにはラブホテルがあり、しかもこの辺りはとても人通りが少ない。一人で歩くときには絶対に通らず、遠回りでも大通り沿いを歩く。

 この男性が裏路地を通るルートを尋ねてきたから、その通りに歩いてきてしまったが、これは軽率だったかもしれない。

 変な疑いをかけるのは少し心苦しいが、このまま先へは進まない方がいいだろう。

 明日香は男性に別れを告げる。

「この道を真っ直ぐ歩いて、大通りに出たら右に曲がってください。後は大通り沿いに歩けば到着しますよ。では、私はこの辺りで失礼しますね」

 軽くお辞儀をして、元来た方向へと振り返る。そのまま足早に去ろうとするが、それは叶わない。男に唐突に手首をつかまれ、そのまま強く引っ張られてしまった。
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