この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 スマホを取り出して確認してみると、将人からメッセージが送られている。

『今度の土曜か日曜って空いてる?』

 直前に連絡をしてくるとは珍しい。四人で会う場合、大体一ヶ月前くらいに予定を合わせるのがいつものことだ。ここまで直前のパターンは初めてかもしれない。

 明日香は少し不思議に思いながらも返事を送る。

『日曜なら空いてるよ』
『よかった。じゃあ、日曜に会えるかな?』
『いいよ。今、穂高も近くにいるんだけど、穂高にも伝えていい?』

 別で連絡してもらうよりも、明日香がこの場で伝えた方が断然早い。将人もその方がいいだろうと思って訊いたが、将人からは意外な返答が送られてきた。

『いや、今回は明日香と二人で会いたい。明日香に話しておきたいことがあるんだ』

 そのメッセージに軽く目を見開く。二人きりで会うことなど、ここ数年はなかった。

 自分の気持ちがどうなっているのか、まだはっきりとはわからない状況で、将人と二人きりになるのは怖い。

 それでも親友からの頼みを断る選択肢は、明日香の中にはなかった。

『わかった。じゃあ、日曜ね』
『ありがとう。場所と時間はまた連絡する』

 明日香はスマホをポケットに戻すと、小さくため息をこぼした。

「どうかしたか?」

 慶介からの問いかけに、慌てて首を振って答える。

「あ、ううん。なんでもないよ」

 慶介のことも意識している今、安易に将人のことを話すことはできない。

 明日香は口をつぐみ、次に慶介に話しかけられるまで、窓の外を眺めて一人物思いに耽っていた。
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