この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
第六章 恋には届かなくても

1. 偽りの愛に浸る

 アパートの裏手に続く細い通路で身を寄せ合う二人。ピタリと体を密着させ、抱きしめ合いながらキスを交わす。

 唇が離れれば、そこからこぼれ出すのは愛の言葉。

「明日香、好きだ」
「私も。好きだよ、慶介」

 互いに愛を囁き合いながら、何度も口づける。

 明日香の自宅前で、さよならをする前のこのわずかな時間が、二人にとって最も恋人らしくいられるとき。

 初めて唇を重ねたあの日以来、こうして甘い時間を過ごすことが増え、明日香の恋心はどんどん加速していった。

 慶介が好きでたまらない。もはや明日香が放つ『好き』には、純度百パーセントの想いが詰まっている。
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