両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
「俺もそう言ったんだけどね。それで、まあ。他のコンクールに出場すればよかったんだろうけど、その後すぐに海外留学が決まってね。本人はそのイメージがついたままだって、思い込んでいて、まだ納得してないんだよね」

「知久くらいの軽さがあればな」

「失礼な。俺は絶対的な勝者だからな?だから、結朱の気持ちは正直めんどくさいなって思ってるよ。けど、千愛ちゃんに迷惑がかかったから、今回はね。さすがにお説教したよ」

「お前も天才少年って呼ばれてたからな」

「勝手に呼ばれていただけだ。俺はどっちかというと努力型!こうみえて練習もちゃんとしてるし」

あんな舞台の上では自信満々に弾いている知久さんが努力型と自分で言うのがおかしくて笑ってしまった。

「よかった。笑ってくれて」

いい人だなと思った。
ちゃんと私に誤解がないように説明しにきてくれるなんて。
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