両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
「そうね。ここで私とお姉ちゃんがどっちが上かハッキリさせたほうがいいわよね。それなら、コンクールで勝負よ!」

「勝負!?」

「私、コンクールに出るって言ったでしょ?お姉ちゃんが棄権したあのコンクールよ。今のお姉ちゃんなら予選からだろうけど」

そう言う虹亜は本選からに違いない。
虹亜の演奏をまだ聴いたことないけれど、海外で学んできた虹亜にしたら、ブランクのある私に勝つ自信はあるのだろう。

「まあ、私のほうが名前も知られてるし、優位よね」

それは一方的な虹亜の宣戦布告だった。

「そんな―――」

困るわと言う前に虹亜は警備員に連れ出されてしまった。

「すごい妹だなー」

知久さん達は虹亜の勢いに去った後も唖然としていた。
私もあの激しさに圧倒されていたから、気持ちはわかる。

「楽屋に入ろう、目立ってるから」

< 163 / 227 >

この作品をシェア

pagetop