両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
音大の入学案内をシャンパンが置かれたテーブルに広げた。
いきなりの現実。
え?これなの?

「受験するだろう?」

「そのつもりだけど……」

今はよかったんじゃない?なんて思いながらソファーに座った。
スイートルームだけあって、座り心地のいいソファーね、うん……。

「菱水音大なら受かりやすいと思う。ただ年齢があるから、それなりのレベルに達してないと入学は難しい」

「そうよね……」

「千愛なら大丈夫だよ。まだ練習不足だけどね」

「しっ、しかたないでしょ!一日を音楽に費やせないし……」

「わかってる。だから、指輪を先に渡した。会社を辞めてピアノに専念してほしい」

驚いて唯冬を見るとにっこりと微笑んだ。

「結婚しようって言ってるんだけど、わかってる?」

「私でいいの?だって……」

唯冬の家はかなりのお金持ちで、両親からも大切にされているのがわかる。
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