両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
彼女が欲しくて仕方なくて、俺から逃げれないようにしてしまった。
あの両親達と同じ。
閉じ込めた。
俺の――――

「唯冬は優しい」

「逢生」

「少なくとも俺よりは面倒見いいし、他人に興味がある」

「お前基準だとハードルがぐっと下がるな」

「失礼な」

こっちが馬鹿馬鹿しくなるくらい逢生は気楽に言った。

「必死に尽くす唯冬の姿を見るのが面白い」

「そうだよなー。他の人間にも同じくらい尽くせよ。そしたら、もうちょっとは人としての優しさレベルがあがるぞ?」

遠くからわざわざ知久がつけくわえた。
もっとましなフォローができないのかと思っていたが、知久の後ろに女性がいることに気づいた。

「ナンパしてきたわけじゃないぞ」

「当たり前だ」

コンクールの運営スタッフらしくネームプレートを首から下げている。

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