両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
「あ、あの、雪元さんに隈井先生が伝言があると言われて案内したんです。それで、控え室のほうに向かっていくのを見たのが最後で」

隈井先生が眉をひそめた。
そんな伝言を頼んだ覚えはないらしい。

「誰に頼まれた?」

「えっと、雪元虹亜さんだったと思います。……姉妹ですよね?」

怪しい人間を取り次いだわけじゃないと言いたいらしいが―――

「やられたね」

逢生は苦笑した。

「なるほどね……レストランでの仕返しをしたってわけか」

「だろうな。ひと気のない場所を探す。あの短絡的な思考タイプなら、千愛を閉じ込めるのが精いっぱいだ」

「仕返しとはなんだね!?」

焦る隈井先生に言った。

「先生。千愛は必ず見つけます。先生は千愛の他に出場している生徒もいるでしょう?席に戻った方がよろしいのでは?」

「しかし!」

「騒ぎになると他の出場者達が動揺するかもしれません」

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