両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
同じ『趣味』のほうがいいだろうと言われ、ピアノが上手なお嬢さんを選んでやったと両親から結朱を紹介された。
相手はまだ高校生で俺は大学生。
留学を認めるかわりに婚約者を決められた。
こちらから拒否できずに陣川の家に相談すると、形だけの婚約者でいいと言われてそのままになっている。
「あーあ……結朱の演奏はお前の心に響かなかったかー」
「なんだそれ」
「べっつにー」
にやにやと笑いながら、知久は前の席にもたれて目を細めた。
「唯冬と雪元さんは真逆だよな」
「知久はわかってないな。同類だから、彼女のことが好きなんじゃない」
「はあ?同類じゃないなら、天才は天才を知るってやつ?」
「そうじゃない」
違う。
ただ純粋に彼女が好きだというだけだ。
音もその空気も。
彼女は冷たくとっつきにくい子だっていうけど違う。
相手はまだ高校生で俺は大学生。
留学を認めるかわりに婚約者を決められた。
こちらから拒否できずに陣川の家に相談すると、形だけの婚約者でいいと言われてそのままになっている。
「あーあ……結朱の演奏はお前の心に響かなかったかー」
「なんだそれ」
「べっつにー」
にやにやと笑いながら、知久は前の席にもたれて目を細めた。
「唯冬と雪元さんは真逆だよな」
「知久はわかってないな。同類だから、彼女のことが好きなんじゃない」
「はあ?同類じゃないなら、天才は天才を知るってやつ?」
「そうじゃない」
違う。
ただ純粋に彼女が好きだというだけだ。
音もその空気も。
彼女は冷たくとっつきにくい子だっていうけど違う。