両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
「うわぁ、こんな小さいアパートに暮らしてるの?マンションじゃなくて?やだー、ぼろーい」

馬鹿にした笑い声が響いた。
明らかな悪意。
虹亜が私のことが好きじゃないのはわかっている。
表面上だけにこやかでも声のトーンは低い。
隠そうと思っても隠し切れない嫌悪がそこにはあった。
『みんな、おめでとうって言ってくれて本当に嬉しかった』
『でも、お姉ちゃんからはまだだから。おめでとうって言って欲しいな』
それが留学前の会話で私がおめでとうと言うと満足したのか、それ以来、連絡一つなかった。
妹とはいえ、数年ぶりの再会に身構えてしまうのもしかたのないことだ。

「天才少女なんてもてはやされたお姉ちゃんがこんなみじめな生活を送っているなんてかわいそう」

虹亜が私の姿を上から下まで舐めるように見ると微笑んだ。

「別にみじめじゃないわ」

虹亜は馬鹿にした笑いを浮かべた。

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