両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
その言葉に周囲が戸惑いざわめいた。
「誰?」
「知らないわよ」
店員さんは苦笑した。
「いやぁ、陣川さんにぜひ」
「そう?じゃあ、雪元さんの次に弾くわ」
さあ、どうぞと結朱さんが手で指ししめしたけれど、背中に汗がつたった。
弾けない。
私は弾けないんですと言いたいのにうまく言葉がでてこなかった。
店員さんは渋々、私に『お願いします』と言ったけれど、それにも答えられずにいると高く笑う声がした。
「やだ。なんの騒ぎかと思ったら、千愛お姉ちゃんじゃない」
結朱さんの隣に立ったのは虹亜だった。
二人で買い物にでもきたのか、手にCDを持っていた。
そのCDのジャケットには唯冬と陣川さん、#深月__みづき__#さんの姿が見える。
三人は有名なんだと今、知った。
それに比べて私は―――
「弾けないくせに楽器店?なにしにきたの?まさか楽譜を買いにきたとか言わないでよ」
「誰?」
「知らないわよ」
店員さんは苦笑した。
「いやぁ、陣川さんにぜひ」
「そう?じゃあ、雪元さんの次に弾くわ」
さあ、どうぞと結朱さんが手で指ししめしたけれど、背中に汗がつたった。
弾けない。
私は弾けないんですと言いたいのにうまく言葉がでてこなかった。
店員さんは渋々、私に『お願いします』と言ったけれど、それにも答えられずにいると高く笑う声がした。
「やだ。なんの騒ぎかと思ったら、千愛お姉ちゃんじゃない」
結朱さんの隣に立ったのは虹亜だった。
二人で買い物にでもきたのか、手にCDを持っていた。
そのCDのジャケットには唯冬と陣川さん、#深月__みづき__#さんの姿が見える。
三人は有名なんだと今、知った。
それに比べて私は―――
「弾けないくせに楽器店?なにしにきたの?まさか楽譜を買いにきたとか言わないでよ」