両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
虹亜は頑張ってくださいと小さい声で励ましていたけれど、そんな言葉は耳に入っていないのか、うつむいたまま、椅子に座った。
「楽譜をめくろうか?」
「唯冬さん、わ、私、別に千愛さんに嫌がらせをしたわけじゃないの。ただ……」
「わかってる。弾いて。俺はこの後、千愛と楽譜を選ばないといけないから」
「楽譜って」
「千愛が弾きたい曲を一緒に弾こうと思ってる」
「私との共演は断ったのに!?」
「ほら、早く」
青ざめた顔で結朱さんはピアノの鍵盤に指を触れさせた。
その曲は―――耳を塞ぎたくなるほど、酷いものでバラバラの音符、揃わない音、ちぎれた音。
まるで、悪い夢に酔ったみたいになって気持ち悪い。
うつむいて顔をあげないその姿が痛々しかった。
「もう一曲、弾いておく?」
「待って!唯冬、もうやめて!」
「やめる?」
こくこくと必死に首を縦に振った。
「楽譜をめくろうか?」
「唯冬さん、わ、私、別に千愛さんに嫌がらせをしたわけじゃないの。ただ……」
「わかってる。弾いて。俺はこの後、千愛と楽譜を選ばないといけないから」
「楽譜って」
「千愛が弾きたい曲を一緒に弾こうと思ってる」
「私との共演は断ったのに!?」
「ほら、早く」
青ざめた顔で結朱さんはピアノの鍵盤に指を触れさせた。
その曲は―――耳を塞ぎたくなるほど、酷いものでバラバラの音符、揃わない音、ちぎれた音。
まるで、悪い夢に酔ったみたいになって気持ち悪い。
うつむいて顔をあげないその姿が痛々しかった。
「もう一曲、弾いておく?」
「待って!唯冬、もうやめて!」
「やめる?」
こくこくと必死に首を縦に振った。