両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
今までそんなふうに考えて選んだことはなかった。
コンクールの曲は先生が決めて、私の好きな曲を選びましょうとはならなかった。
この曲が終わったら、次はこの曲というようにどんどん与えられて、それを弾きこなす毎日だった。
楽しかったかといわれれば、よくわからない。
でも、ピアノは好きだったから、続けてこれた。
「千愛?」
「ごめんなさい。選べないみたい」
うつむいた。
私はため息をつくしかなかった。
「じゃあ、俺に聴かせたい曲は?」
「唯冬に?」
「そう。観客は俺だけ」
あなただけ。
それなら―――
雨の音、二人だけの時間、初めて会った時の曲。
「サティがいい」
そう言うと唯冬が微笑んだ。
私が弾く曲は決まった。
他にも何冊か楽譜を手にしてレジに行くとCD売場に唯冬と陣川さん、深月さんのCDが置いてあった。
聴きたいなと思っていると、唯冬が笑った。
コンクールの曲は先生が決めて、私の好きな曲を選びましょうとはならなかった。
この曲が終わったら、次はこの曲というようにどんどん与えられて、それを弾きこなす毎日だった。
楽しかったかといわれれば、よくわからない。
でも、ピアノは好きだったから、続けてこれた。
「千愛?」
「ごめんなさい。選べないみたい」
うつむいた。
私はため息をつくしかなかった。
「じゃあ、俺に聴かせたい曲は?」
「唯冬に?」
「そう。観客は俺だけ」
あなただけ。
それなら―――
雨の音、二人だけの時間、初めて会った時の曲。
「サティがいい」
そう言うと唯冬が微笑んだ。
私が弾く曲は決まった。
他にも何冊か楽譜を手にしてレジに行くとCD売場に唯冬と陣川さん、深月さんのCDが置いてあった。
聴きたいなと思っていると、唯冬が笑った。