家出少女、拾われる

 「はあはあ」

 私は、息をふーと吐く。
 頂上だ。
 ここまで40分かけて登ってきた。


 「ここがお前の見たかった景色か?」
 「はい」


 私はゆっくりと頷いた。


 「確かにきれいだな」
 「はい」

 「ふっ、はいとしか言わないな」
 「だって」

 はい、以外の語彙を持ち合わせられない。
 それ以外の言葉を言えば、告白前に、告白の類のワードを出してしまう可能性が大いにあった。


 それは避けたいところ。
 だって、そのお場合、きちんとした告白じゃなくなってしまうのだから。

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