蜜味センチメンタル
「……でもね、今年は年末まで仕事が長い分、年始は少し遅いの。那色くんがよかったら、4日からは一緒に過ごさない?」

その言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなった。

「…寂しそうに見えました?」

「うん。ちょっとだけ」

あからさまに視線を逸らす。
けれど羅華は、そんな仕草さえも愛おしむように笑った。

「そんなに遠くないから、朝の早い便で戻ってくるね」

「ほんとですか? 」

「私はウソが下手なんでしょう?」

くすくすと笑いながら、羅華はそっと背中に手を回してくる。


「……私も那色くんに会いたいから。だから、帰ってくるよ」

その一言が、胸の真ん中にすとんと落ちた。
まるで、見えない何かがやっと噛み合ったような、そんな確かな音がした気がした。

「……っ」

言葉が、出ない。
溢れそうな想いを、どう言葉に変えればいいのか分からなかった。

だから、絞り出すようにただひとつ。


「楽しみにしてます」


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