蜜味センチメンタル
・*†*・゚゚
1月4日、午前11時。
肌を指す風は鋭く冷たいけれど、陽射しだけはやわらかかった。
駅のロータリーに立つ那色を見つけた瞬間、羅華の心臓が少しだけ跳ねた。
「おかえり」
いつもよりすこしだけ明るめの声。那色がそう言って微笑む。その笑顔が、年末からの寂しさを一気に溶かしてくれた。
「ただいま」
駆け寄ると、彼は自然に手を差し出してくる。
指先が触れた瞬間、安心と嬉しさが一気に押し寄せてきた。
「元気でしたか?」
「那色くんこそ。ちゃんとご飯、食べてた?」
「食べました。むしろ食べすぎて太りました」
「ふふ、那色くん意外と大食いだもんね」
「だって羅華さんっていう栄養源が圧倒的に足らかったから。食べることでしか補給できなかったんです」
「……そっか」
少しだけ、羅華の頬が赤く染まる。
ふたりで歩きながら、小さな会話が次々に零れていく。母との年越し、正月の過ごし方、そして那色の近況。
やがて、羅華の部屋につく。
部屋の中に入ると、那色が少しだけためらうように言った。
「…あの実は、羅華さんが帰ってきたら一緒にご飯を食べようって……ちょっとだけ、奮発したんです」
そう言って那色はキッチンまで進み、紙袋の中を取り出す。中からは重箱が出てきて、蓋を開ければおせち風の料理がいくつか並んでいた。煮しめ、だし巻き、紅白なます、そして栗きんとん。
「え、これどうしたの?」
「ちょっとしたツテで特注しました。もうとっくに正月とは呼べない日になっちゃいましたけど、気分だけでも味わいたくて」
「すごくおいしそう……食べたい!」
思わず笑顔になった羅華を見て、那色の顔もゆるんだ。
ふたりで食卓を囲む。どれも素朴な味わいだけど、優しくてあたたかい。
1月4日、午前11時。
肌を指す風は鋭く冷たいけれど、陽射しだけはやわらかかった。
駅のロータリーに立つ那色を見つけた瞬間、羅華の心臓が少しだけ跳ねた。
「おかえり」
いつもよりすこしだけ明るめの声。那色がそう言って微笑む。その笑顔が、年末からの寂しさを一気に溶かしてくれた。
「ただいま」
駆け寄ると、彼は自然に手を差し出してくる。
指先が触れた瞬間、安心と嬉しさが一気に押し寄せてきた。
「元気でしたか?」
「那色くんこそ。ちゃんとご飯、食べてた?」
「食べました。むしろ食べすぎて太りました」
「ふふ、那色くん意外と大食いだもんね」
「だって羅華さんっていう栄養源が圧倒的に足らかったから。食べることでしか補給できなかったんです」
「……そっか」
少しだけ、羅華の頬が赤く染まる。
ふたりで歩きながら、小さな会話が次々に零れていく。母との年越し、正月の過ごし方、そして那色の近況。
やがて、羅華の部屋につく。
部屋の中に入ると、那色が少しだけためらうように言った。
「…あの実は、羅華さんが帰ってきたら一緒にご飯を食べようって……ちょっとだけ、奮発したんです」
そう言って那色はキッチンまで進み、紙袋の中を取り出す。中からは重箱が出てきて、蓋を開ければおせち風の料理がいくつか並んでいた。煮しめ、だし巻き、紅白なます、そして栗きんとん。
「え、これどうしたの?」
「ちょっとしたツテで特注しました。もうとっくに正月とは呼べない日になっちゃいましたけど、気分だけでも味わいたくて」
「すごくおいしそう……食べたい!」
思わず笑顔になった羅華を見て、那色の顔もゆるんだ。
ふたりで食卓を囲む。どれも素朴な味わいだけど、優しくてあたたかい。