先輩はぼくのもの

おまけ⑦田村くん×龍弥


「あっ見ーっけ」

大学で作業していたら聞いたことある声。


「あんた確か…」

「桜井さんと狩谷の友人の田村です」


あー、そうだ。詩たちの友達だ。



ガタッ

「は?なに座ろうとしてんの?」

「え?ダメですか?」

大学のカフェテラス。
今日は週末で人も少なく集中出来るから、ここでパソコンと睨めっこ。

「見てわかんない?俺、忙しいんだけど」

「俺だってあんたのせいで、さっきまでボディガードしてたんだけど?」


コイツの言っている意味がすぐわかる自分が、なんかすげー嫌になる。


「桜井さん、困らせるのいい加減やめろよ」

「俺、一応先輩なんだけど?タメ口?」

「女の子泣かせるような奴にはタメ口でちょーどっすよ」


ほら、やっぱムカつく。


それは俺がイタイトコロを突かれてるからで
自業自得だ。



「そんで、結局こんなとこに逃げてんだ」


「…うっせぇよ」


確信を突かれすぎて、怒りを超えて怖くなる。


「てめぇに関係ねーだろ」


「あるんすよ。狩谷の昔のことをダシに使うのやめてもらえません?」


言いたかったのはこのことか?


「おまえはアイツの過去知ってんのか?」

「少なくともあんたみたいに噂話を鵜呑みにはしません」


ほんとにムカつく。



「正々堂々、自分で攻めれないくせに桜井さん困らせんな。次泣かせたら許さないから」

そう言って田村が席を立つ。



コイツって


もしかしてー…



「おまえ…もしかして詩が好きなのか?」


たぶん、俺の勘は当たってる。




少し驚いた顔をしてからフッと笑った田村。



「どうでしょうね」



ーーーーーーー


田村が去ってから、夜中、そして今朝のことを思い出す。



わかってる


ちゃんとわかってるよ




「ずりぃよな、俺……」


なんで、あと1年だけでも早くこっちに来なかったんだろう。
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