先輩はぼくのもの

「綺麗だねー」

日が暮れてやってきたのは有名なイルミネーションスポット。


「そうですね」

本当に綺麗。

眩し過ぎて目が眩むほど。



「想汰くんと一緒に見れて嬉しい」

「ぼくもです」


ずっと大好きで
ずっと触れたかった先輩がそばにいる。


これは当たり前じゃなくて
奇跡だから。


「なんか…先輩みたい」

「え?」


先輩の吐く白い息すら愛おしい。



「ぼくにとっての先輩みたいに、キラキラで眩しくて綺麗」


そう言った後、先輩がフイッと顔を伏せた。
そして、それと同時に繋いでいた手がさらにぎゅっと握られた。


「わたしだってー…想汰くんがそうだもん…」


あぁ、かわいい。


先輩、一生ぼくのものだよね?
どこにも行かせない
逃がさない
放さない


先輩を好きでいればいるほど
自分に溢れてくる独占欲。



「夜ご飯、買い物して帰ります?」

「うん…///」

顔を赤くして照れてる先輩。


今すぐむちゃくちゃに抱きたいぐらいかわいい。


「先輩、早く帰りたいです」

「えぇ!?楽しくないとか!?」


そんなわけないでしょ。


ヒソッ
「早くふたりっきりになりたいから」

先輩の耳元でわざと言った。


「わっ…ばかっー…!」


ほら、顔を真っ赤にした。


「…早く帰ろ?」

上目遣いでそれは反則だよ。


「はい」



幸せって ものすごく怖い。




ーーーーーーーーーーー



まだドキドキがおさまらない。

あれから夜ご飯の買い物をして家に着いて…

想汰くんとのエッチを思い出してひとりで照れて顔を布団に伏せる。
わたし、前も同じ行動してた気がする…///


すき

だいすき



隣で眠る想汰くんを起こさないように、そっとベッドから出て服を着る。

スマホを見ると21時前だった。
明日はウチでクリスマスパーティーをする予定。
だから、今日は外でご飯も迷ったけどゆっくり家で食べることにした。


〈少しでも先輩とふたりきりの時間が欲しいです〉

クリスマスプレゼントに欲しいものは?って聞いたら、こんなこと言うんだもん…

またひとりで照れてしまう。


薄暗かった部屋を明るくした。
…よかった、起きなかった。

朝早かったみたいだし、少しでも寝かせてあげたいしね。

ゴミ箱の後ろに何か落ちているのが見えた。


なんだろ?


ゴミ箱をそっと退けてみると、ガラスの破片らしきものだった。


「なんかラベルみたいなの付いてる…」

よく見ようと顔に近づけると良い匂いがした。


あれ…?

「この匂い…知ってる……」


少し大きめの破片で、ラベルもなんとなく見覚えがあった。


これは…えっと、、確かー…
「…先輩?」


ドキッ

咄嗟に、破片を着ていたニットカーディガンのポケットに入れた。


「あ、起こしちゃった?」

「ううん。ごめんね、寝ちゃってた」



なんだろ、この胸騒ぎ。



「先輩…?どうしたの?」

「えっ?」

ベッドから起き上がってわたしの目の前にやってきた想汰くん。


「なにかあった?」


そう…“なにか”を聞きたいのに


「…ううん、なにもないよ。お腹空いたなぁって」


「そうですね。ご飯準備しましょっか」


でも、その“なにか”をまだうまく言葉に出来ない気がして飲み込んだ。



「わたし、サラダ用意するね」

「ありがとうございます」






ゴミ箱の裏に目をやる。


ぼそっ
「あー…気づいちゃったかぁ……」


「ん?想汰くん、なにか言った?」

「いーえ、なにも」



まぁ、、、こんなもんだよな。
ぼくはなにを期待してんだか。
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