【番外編】橘さん、甘すぎ注意です
食事を終え、2人は席を立って帰り支度を始めた。父は羽織を整えながら、ふと紗良のそばに寄ってきて、小声で――いや、本人はそのつもりでも十分聞こえる声で――囁いた。
「……で、キスはもうしたのか?」
「なっ……!」
紗良は湯呑みを落としそうになりながら、顔を真っ赤にして振り返る。
「お父さんっ! なにその聞き方っ! デリカシーなさすぎ!」
「なんだ、父親として普通の確認だろう。もう大人なんだから」
「確認の仕方が最低だって言ってるのっ!」
口をとがらせて怒る紗良。そのやりとりの後ろで――
「……っ!」
出入り口で見守っていた旗野が、気まずそうに顔を逸らしていた。
耳まで真っ赤に染まり、目も泳いでいる。
(聞かれてた……最悪……)
紗良は手で顔を覆いながら、肩まで落とす。
その横で、航太だけがどこか冷静に「今のは俺の聞かれたくなかったことランキング、間違いなく上位だな」とつぶやいていた。
「……で、キスはもうしたのか?」
「なっ……!」
紗良は湯呑みを落としそうになりながら、顔を真っ赤にして振り返る。
「お父さんっ! なにその聞き方っ! デリカシーなさすぎ!」
「なんだ、父親として普通の確認だろう。もう大人なんだから」
「確認の仕方が最低だって言ってるのっ!」
口をとがらせて怒る紗良。そのやりとりの後ろで――
「……っ!」
出入り口で見守っていた旗野が、気まずそうに顔を逸らしていた。
耳まで真っ赤に染まり、目も泳いでいる。
(聞かれてた……最悪……)
紗良は手で顔を覆いながら、肩まで落とす。
その横で、航太だけがどこか冷静に「今のは俺の聞かれたくなかったことランキング、間違いなく上位だな」とつぶやいていた。