私の愛した彼は、こわい人


 彼と親密な関係になり、平穏で幸せな日々が続いた。
 朝、同じベッドの中で目覚め、二人で朝食を摂って、サロンの送迎はジンさんがしてくれて。夜はできるだけごはんを一緒に食べて他愛ない話をして、同じベッドの中で寄り添って眠る。
 就寝前、ジンさんは必ずキスをしてくれて。甘い言葉を囁かれ、肌を重ねるときには、優しくたしかめるように、けれども深い愛情を与えてくれた。
 これまでの私は、誰かに体を触られるとき、いつも脅えていた。
 けれどジンさんだけは、違う。私の体が彼を欲していて、想いがどんどん大きくなっていく。
 愛する人のぬくもりが、こんなに愛しいものだなんて。私は知らなかったの。
 こんな幸せが、いつまでも続いてほしい。
 心からそう願った。
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