私の愛した彼は、こわい人
「今月、ベル・フルールでレガーロの商品を十万円分売ることになったの」
「十万? あのサロンでそんなに売れるのかな。まあ、レガーロの営業マンとしてはありがたい話だけどね」
タクトは誇らしげな顔になった。
──私の彼氏、小野タクトはレガーロ社の営業マンだ。ベル・フルールの担当者で、商品を販売するためにたびたびサロンに訪問してくる。
よく話すうちに仲良くなり食事に誘われ、告白されたので付き合うことにした。
料理はできるし、掃除や洗濯も交代でやってくれる。家庭的な人だと思う。
ただ、ほんの少し神経質で心配性なところはあるけれど……。
「サロン用の販促物を作りたいの。案をタクトと一緒に考えて」
「なるほどね。そんなもの必要ないよ」
「え?」
「会社から僕が持ってくるから」
「いいの?」
「もちろんさ。アスカのためだよ。キャンペーンも企画してみよう」
「どんな?」
「たとえば、定期購入を契約した客にはフェイシャルマスクプレゼントとか。新規購入の客には五パーセントオフとか。色々できるよ」
「タクト。頼もしい」
「僕はレガーロに勤めて六年になる。会社からも信頼されてるし、販促部に言えば要望を通らせられる」
「凄いね、さすがだね」
頬を綻ばせ、タクトは私にキスをした。
タクトの舌が、私の口の中に侵入してくる。「アスカ、愛してるよ」と囁きながら彼の息は荒くなっていって。
「あ、あの。待って」
「どうした?」
「ここ、玄関だよ……」
「この前もやっただろ」
「まだお風呂に入ってないし。ごはんも食べてないよ……」
私が弱々しく言うと、タクトはそっと口元から離れていく。
「そうか。アスカ、お腹空いてるよね」
「……ごめんね」
「別にいいんだよ? 今日はアスカのためにチーズハンバーグを作ったんだ。好きだろ」
タクトは目を細めた。
私の帰りが遅くなると、タクトはごはんを作って待っていてくれる。私が好きなものだって、よく知っている。
だから私は、タクトと一緒にいられて……幸せだと思う。
「十万? あのサロンでそんなに売れるのかな。まあ、レガーロの営業マンとしてはありがたい話だけどね」
タクトは誇らしげな顔になった。
──私の彼氏、小野タクトはレガーロ社の営業マンだ。ベル・フルールの担当者で、商品を販売するためにたびたびサロンに訪問してくる。
よく話すうちに仲良くなり食事に誘われ、告白されたので付き合うことにした。
料理はできるし、掃除や洗濯も交代でやってくれる。家庭的な人だと思う。
ただ、ほんの少し神経質で心配性なところはあるけれど……。
「サロン用の販促物を作りたいの。案をタクトと一緒に考えて」
「なるほどね。そんなもの必要ないよ」
「え?」
「会社から僕が持ってくるから」
「いいの?」
「もちろんさ。アスカのためだよ。キャンペーンも企画してみよう」
「どんな?」
「たとえば、定期購入を契約した客にはフェイシャルマスクプレゼントとか。新規購入の客には五パーセントオフとか。色々できるよ」
「タクト。頼もしい」
「僕はレガーロに勤めて六年になる。会社からも信頼されてるし、販促部に言えば要望を通らせられる」
「凄いね、さすがだね」
頬を綻ばせ、タクトは私にキスをした。
タクトの舌が、私の口の中に侵入してくる。「アスカ、愛してるよ」と囁きながら彼の息は荒くなっていって。
「あ、あの。待って」
「どうした?」
「ここ、玄関だよ……」
「この前もやっただろ」
「まだお風呂に入ってないし。ごはんも食べてないよ……」
私が弱々しく言うと、タクトはそっと口元から離れていく。
「そうか。アスカ、お腹空いてるよね」
「……ごめんね」
「別にいいんだよ? 今日はアスカのためにチーズハンバーグを作ったんだ。好きだろ」
タクトは目を細めた。
私の帰りが遅くなると、タクトはごはんを作って待っていてくれる。私が好きなものだって、よく知っている。
だから私は、タクトと一緒にいられて……幸せだと思う。