私の愛した彼は、こわい人
なんとなく、予想はしていた。そもそもジンさんとするときはきちんと避妊していた。
だけど、こんなことどうしても受け入れられなくて。
頭がクラクラする。気持ちが悪い。
「大丈夫ですか、鈴本さん」
「す、すみません。つわりが酷いみたいで……」
「よければ点滴を打っていきますか」
「お、お願いします」
別室に案内され、ベッドに横になり二時間ほど点滴を打たせてもらうことになった。
先生は、受診の合間を縫って様子を見に来てくれた。
私の懸念をなんとなく理解したのか、こんなことを言う。
「お相手の方とはお話できそうですか?」
「お相手って……?」
「赤ちゃんの、お父さんです」
お父さん……。
お腹の子の、お父さんは……ジンさんじゃない。
タクトだ。
話なんて、できるわけがない。
歯を食いしばる私を前に、先生は眉を潜める。
「もしも妊娠継続を希望されないのでしたら、手術をすることになります。二十二週に入ると中絶ができなくなりますし、母体の安全も考えてなるべく早く答えを出してください」
中絶。それって、お腹の子を殺すってことだよね……?
「一番いいのはお相手とよくご相談されることです。それが難しければ、鈴本さんご自身だけでもよく考えて決めてください。当クリニックでも手術はできますので」
お大事にしてください、と言って先生はその場から立ち去っていった。
中絶? タクトと話をする……?
そんなの、無理。できるわけない。
だからと言ってジンさんに相談する? 妊娠継続して産むの? そんなの、おかしいでしょ?
どうしよう。どうすればいいの……?
ベッドに横になりながら、私はずっと考えていた。
考えて考えて、考える。
答えなんて、出るわけがない。
わけわかんないよ。答えなんて、わかんない……!
点滴を刺した腕がじんじん痛む。
でも胸の痛みの方が、もっともっと痛かった。
だけど、こんなことどうしても受け入れられなくて。
頭がクラクラする。気持ちが悪い。
「大丈夫ですか、鈴本さん」
「す、すみません。つわりが酷いみたいで……」
「よければ点滴を打っていきますか」
「お、お願いします」
別室に案内され、ベッドに横になり二時間ほど点滴を打たせてもらうことになった。
先生は、受診の合間を縫って様子を見に来てくれた。
私の懸念をなんとなく理解したのか、こんなことを言う。
「お相手の方とはお話できそうですか?」
「お相手って……?」
「赤ちゃんの、お父さんです」
お父さん……。
お腹の子の、お父さんは……ジンさんじゃない。
タクトだ。
話なんて、できるわけがない。
歯を食いしばる私を前に、先生は眉を潜める。
「もしも妊娠継続を希望されないのでしたら、手術をすることになります。二十二週に入ると中絶ができなくなりますし、母体の安全も考えてなるべく早く答えを出してください」
中絶。それって、お腹の子を殺すってことだよね……?
「一番いいのはお相手とよくご相談されることです。それが難しければ、鈴本さんご自身だけでもよく考えて決めてください。当クリニックでも手術はできますので」
お大事にしてください、と言って先生はその場から立ち去っていった。
中絶? タクトと話をする……?
そんなの、無理。できるわけない。
だからと言ってジンさんに相談する? 妊娠継続して産むの? そんなの、おかしいでしょ?
どうしよう。どうすればいいの……?
ベッドに横になりながら、私はずっと考えていた。
考えて考えて、考える。
答えなんて、出るわけがない。
わけわかんないよ。答えなんて、わかんない……!
点滴を刺した腕がじんじん痛む。
でも胸の痛みの方が、もっともっと痛かった。