私の愛した彼は、こわい人
『あいつ言ってたわよ。渡した御守りをずーっと大切にして、自分のことを忘れずにいたアスカに驚いたって。それに、すごく嬉しかったんだってさ』
「ジンさんが……?」
『ヤクザの息子ってだけで後ろ指をさされるような人生だったからさ。あんたに心が救われてたみたいよ。だからアスカが作ったドラゴンだっけ? 捨てないで大事に取っていたんですって』

 そんな。そう、だったの……?
 思いがけない話に、全身が熱くなる。
 私がジンさんを救っていた? あのドラゴンの折り紙、たまたま残していたわけじゃなかったの?

『お互い大人になって再会してさぁ。小さいガキが美人に成長してたらそりゃジンもムラムラするでしょ。好きにならない方が難しいんじゃない?』

 私の心臓がどんどん忙しくなる。
 嬉しいと思ってしまった。幸せを感じてはいけないのに。
 どんなに自分を否定しても、やっぱり気持ちだけは嘘を吐けない。
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