私の愛した彼は、こわい人
刺された。タクトに、お腹を刺された。
嘘だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……!
助けて助けて!!
刺された箇所を抑えても、血は全然止まらない。
このままじゃ、危ない。お腹の子の命も、危ない。死んじゃう。死んじゃうよ。
お願い。血を止めて。止めて、止めて。止まって……! 止まってよ!!
「ふふふ……無様だね、アスカ。そんなに震えて」
嘲笑うタクトは、真っ赤な血が付着した手で私のお腹をさする。
悪魔。悪魔だ、この男っ!!
私が睨みつけても、タクトの表情はなにひとつ変わらない。
「アスカと一緒になれないなら、腹の子が生まれてくる意味なんてないんだよ」
「ひ、どい」
なんにもできない。どうすることもできない。
みるみる全身の力が抜けていき、目の前さえもぼやけてきた。
「さあ、家族三人で一緒にあの世へ逝こう」
タクトは手にしていた包丁を、おもむろに両手で握り締める。そして、自らの胸元に刃先を向けた。
「タクト……!」
なにしてるの……!?
タクトは躊躇いもせず、自分自身の左胸に包丁を突き刺したのだった──
嘘だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……!
助けて助けて!!
刺された箇所を抑えても、血は全然止まらない。
このままじゃ、危ない。お腹の子の命も、危ない。死んじゃう。死んじゃうよ。
お願い。血を止めて。止めて、止めて。止まって……! 止まってよ!!
「ふふふ……無様だね、アスカ。そんなに震えて」
嘲笑うタクトは、真っ赤な血が付着した手で私のお腹をさする。
悪魔。悪魔だ、この男っ!!
私が睨みつけても、タクトの表情はなにひとつ変わらない。
「アスカと一緒になれないなら、腹の子が生まれてくる意味なんてないんだよ」
「ひ、どい」
なんにもできない。どうすることもできない。
みるみる全身の力が抜けていき、目の前さえもぼやけてきた。
「さあ、家族三人で一緒にあの世へ逝こう」
タクトは手にしていた包丁を、おもむろに両手で握り締める。そして、自らの胸元に刃先を向けた。
「タクト……!」
なにしてるの……!?
タクトは躊躇いもせず、自分自身の左胸に包丁を突き刺したのだった──