私の愛した彼は、こわい人
終章
 風吹けば、身が震える季節がやってきた。夜の街を彩るイルミネーションがなんとも美しい。綺麗な眺めに道を歩む人々は心を躍らせた。
 今日は十二月二十五日。街はクリスマスムードで賑わっている。
 私が児童養護施設『ヒゴロモソウ』で働きはじめてから二年が経った。最近になって、児童指導員任用資格も取ることができた。
 日々勉強をしながらの勤務。正直言うとかなり大変。不規則で夜勤だってある。
 時折心が折れそうになるが、子どもたちと触れ合うのは楽しいし癒やされる。なによりも、とてもやりがいがある仕事だ。
 彼とは──ジンさんとは、今も一緒に暮らしている。
 彼と日々を過ごす中、「好き」の気持ちが一層大きくなっていて。互いの愛情を確実に感じ合っていて。彼がそばにいてくれると、毎日が穏かで、幸せで。
 生きていてよかったと、心からそう想う。
 より一層、彼との人生を豊かにしていきたい。
 だから今日、私は愛する人に「大切なこと」を告げるつもりだ。
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