私の愛した彼は、こわい人
「ユウキさんのお心遣いには本当に感謝しています。ですが、最低限の荷物は取りに行きたいです」
「そんなもん、全部捨てる覚悟でいなさいよ」
「ごめんなさい。できません。……バッグに大事なものがあるんです」
「大事なものって?」
「御守りです」
リュウお兄さんからもらった青い御守りを、こんな形で手放したくない。絶対に。
ユウキさんは首を傾げた。
「御守りなら神社とかでもらってこればいいじゃない?」
「ダメなんです。大切な御守りで。必ず取りに行かなきゃ!」
「……と言ってもねえ。もしDV男と鉢合わせたらどうするの!」
「昼間ならタクトは仕事に出ているのでアパートにはいません。仕事をさぼるような人じゃありませんから」
私が食い下がると、ユウキさんは肩をすくめた。
「まったく。あんた意外に頑固なのね。んー、どうしようかしら。勝手にあんたを連れ出したら、絶対にジンにとやかく言われる」
「え?」
連れ出すって。もしかして、私とアパートに行ってくれるの……?
「どんだけ大事な御守りか知らないけど、あたしが止めたって取りに行っちゃうでしょ」
「はい!」
「意気揚々と答えないで。あんた一人で行かせるわけにはいかないから、付いていくわ。その代わりアパートに滞在するのは一分だけ。万が一のことを考えてね。最低限の荷物だけ持ったらすぐに帰ること」
「わかりました」
「それと、手紙を書きなさい。DV男に別れを告げるための」
「手紙で……ですか」
「そう。それで全部終わりにしなさい。スマートフォンも持ち帰ったら、連絡先はブロックすること。いい?」
昨日の今日で、正直なところとても気が動転している。未だにそんな形でタクトとの関係を終わらせていいのかという迷いもある。
だけど──決断しなきゃ。
「わかりました。すぐに書きます」
「いい子ね。準備ができたら、あたしの車で出発よ」
「そんなもん、全部捨てる覚悟でいなさいよ」
「ごめんなさい。できません。……バッグに大事なものがあるんです」
「大事なものって?」
「御守りです」
リュウお兄さんからもらった青い御守りを、こんな形で手放したくない。絶対に。
ユウキさんは首を傾げた。
「御守りなら神社とかでもらってこればいいじゃない?」
「ダメなんです。大切な御守りで。必ず取りに行かなきゃ!」
「……と言ってもねえ。もしDV男と鉢合わせたらどうするの!」
「昼間ならタクトは仕事に出ているのでアパートにはいません。仕事をさぼるような人じゃありませんから」
私が食い下がると、ユウキさんは肩をすくめた。
「まったく。あんた意外に頑固なのね。んー、どうしようかしら。勝手にあんたを連れ出したら、絶対にジンにとやかく言われる」
「え?」
連れ出すって。もしかして、私とアパートに行ってくれるの……?
「どんだけ大事な御守りか知らないけど、あたしが止めたって取りに行っちゃうでしょ」
「はい!」
「意気揚々と答えないで。あんた一人で行かせるわけにはいかないから、付いていくわ。その代わりアパートに滞在するのは一分だけ。万が一のことを考えてね。最低限の荷物だけ持ったらすぐに帰ること」
「わかりました」
「それと、手紙を書きなさい。DV男に別れを告げるための」
「手紙で……ですか」
「そう。それで全部終わりにしなさい。スマートフォンも持ち帰ったら、連絡先はブロックすること。いい?」
昨日の今日で、正直なところとても気が動転している。未だにそんな形でタクトとの関係を終わらせていいのかという迷いもある。
だけど──決断しなきゃ。
「わかりました。すぐに書きます」
「いい子ね。準備ができたら、あたしの車で出発よ」