私の愛した彼は、こわい人
「お帰りなさい。すみません、勝手に冷蔵庫を開けてしまって」
「別にいいけど。なにしてんだ」
「料理をしようかなと。オーナーとユウキさんのために」
「……なに?」
私のひとことに、オーナーは目を見開いた。
その反応。やっぱり私の手料理なんて食べたくないよね。
「でもやめておきます。私の作ったごはんなんて、きっとお口に合わないし……」
「いや」
オーナーは小さく首を横に振った。
「作ってくれよ」
「え」
「アスカの手料理、食べさせてくれ」
オーナーの返事を聞いて、私は一瞬、言葉を失う。
オーナーが、私の手料理を食べてくれるの?
驚きの反面、なんだか嬉しくて。勝手に頬が緩んでしまった。
「豚肉の玉子とじでもいいですか?」
「いいよ。腹減ったから早く作ってくれ」
よし。こうなったら頑張って作ろう……!
豚肉と玉ネギ、卵と調味料をキッチンに並べ、フライパンを用意した。
対面式のキッチンからオーナーの様子がよく見える。なんだか緊張してしまう。
ソファで眠るユウキさんを眺めながらオーナーはため息を吐いた。
「ユウキの奴。起きそうにねぇな」
「かなりお疲れのようです。私のせいで」
「なんでお前のせいになるんだよ」
「連れ回してしまったから……」
「は」
オーナーは訝しげな顔になる。キッチンの横に置かれた私の鞄に気づいたようで、目を見張る。
「まさか。アパートに行ったのか」
「あっ。えっと……荷物を取りに」
「嘘だろ。ユウキにお前をアパートに近づかせないよう頼んであったんだが」
「何度も行くなと止められました。私のわがままに付き合ってくれたんです。どうしても荷物を取り戻したくて」
スマートフォンも財布も化粧品も、全部手放せとユウキさんには言われた。
それでも、御守りだけは諦めきれなかった。切り裂かれた御守りのことを思い出すたび気分が沈む。
「昨日の今日だぞ? いくらなんでも危険すぎる」
「安心してくださいね。タクトには会いませんでした。別れの手紙を置いてきましたし、連絡先もブロックしました。もう……これで全部解決です」
「別にいいけど。なにしてんだ」
「料理をしようかなと。オーナーとユウキさんのために」
「……なに?」
私のひとことに、オーナーは目を見開いた。
その反応。やっぱり私の手料理なんて食べたくないよね。
「でもやめておきます。私の作ったごはんなんて、きっとお口に合わないし……」
「いや」
オーナーは小さく首を横に振った。
「作ってくれよ」
「え」
「アスカの手料理、食べさせてくれ」
オーナーの返事を聞いて、私は一瞬、言葉を失う。
オーナーが、私の手料理を食べてくれるの?
驚きの反面、なんだか嬉しくて。勝手に頬が緩んでしまった。
「豚肉の玉子とじでもいいですか?」
「いいよ。腹減ったから早く作ってくれ」
よし。こうなったら頑張って作ろう……!
豚肉と玉ネギ、卵と調味料をキッチンに並べ、フライパンを用意した。
対面式のキッチンからオーナーの様子がよく見える。なんだか緊張してしまう。
ソファで眠るユウキさんを眺めながらオーナーはため息を吐いた。
「ユウキの奴。起きそうにねぇな」
「かなりお疲れのようです。私のせいで」
「なんでお前のせいになるんだよ」
「連れ回してしまったから……」
「は」
オーナーは訝しげな顔になる。キッチンの横に置かれた私の鞄に気づいたようで、目を見張る。
「まさか。アパートに行ったのか」
「あっ。えっと……荷物を取りに」
「嘘だろ。ユウキにお前をアパートに近づかせないよう頼んであったんだが」
「何度も行くなと止められました。私のわがままに付き合ってくれたんです。どうしても荷物を取り戻したくて」
スマートフォンも財布も化粧品も、全部手放せとユウキさんには言われた。
それでも、御守りだけは諦めきれなかった。切り裂かれた御守りのことを思い出すたび気分が沈む。
「昨日の今日だぞ? いくらなんでも危険すぎる」
「安心してくださいね。タクトには会いませんでした。別れの手紙を置いてきましたし、連絡先もブロックしました。もう……これで全部解決です」