私の愛した彼は、こわい人
「本当に、リュウお兄さんなんですね?」
「そうだよ。驚いたか」
「はい。とても……」
「俺はサロンでアスカに会ったとき、ヒゴロモソウにいた子だってひと目で気づいたが」
ハッとした。
そっか、そうだったんだ。
思い返せば、たしかにって思う。私のフルネームを確認してきたり、目が合った瞬間になんともいえない顔をされたり。早朝のサロンで「どこかで会ったことがあるか」と問われたことも。
今思えば、鎌をかけられてたんだ。
「どうして隠してたんです?」
「……隠していたわけじゃない。アスカがいつ俺に気づくのかずっと待っていたんだが。鈍いよな」
「すみません。名前だけじゃなくて雰囲気もすっかり変わっていたもので」
私が平謝りすると、彼は「それもそうか」と鼻で笑う。
「で? アスカは俺が施設を退所した後どうなった」
「六歳までヒゴロモソウにいましたよ」
「……また、酷い目に遭ったりしなかったか」
「支援員さんたちが気にかけてくれていたので、オーナーがいなくなってからも男の子たちからの嫌がらせはありませんでした」
「それは、よかった」
安堵したように彼は微笑む。
あ。その優しい顔。ちょっと癒される……。
「六歳からはどこで生活を?」
「母方の祖母と奇跡的に連絡が取れたんです。母の居場所は祖母も知らなかったそうですが……。私が育児放棄されていた事実を知った祖母は、大切に育ててくれました」
「そうだよ。驚いたか」
「はい。とても……」
「俺はサロンでアスカに会ったとき、ヒゴロモソウにいた子だってひと目で気づいたが」
ハッとした。
そっか、そうだったんだ。
思い返せば、たしかにって思う。私のフルネームを確認してきたり、目が合った瞬間になんともいえない顔をされたり。早朝のサロンで「どこかで会ったことがあるか」と問われたことも。
今思えば、鎌をかけられてたんだ。
「どうして隠してたんです?」
「……隠していたわけじゃない。アスカがいつ俺に気づくのかずっと待っていたんだが。鈍いよな」
「すみません。名前だけじゃなくて雰囲気もすっかり変わっていたもので」
私が平謝りすると、彼は「それもそうか」と鼻で笑う。
「で? アスカは俺が施設を退所した後どうなった」
「六歳までヒゴロモソウにいましたよ」
「……また、酷い目に遭ったりしなかったか」
「支援員さんたちが気にかけてくれていたので、オーナーがいなくなってからも男の子たちからの嫌がらせはありませんでした」
「それは、よかった」
安堵したように彼は微笑む。
あ。その優しい顔。ちょっと癒される……。
「六歳からはどこで生活を?」
「母方の祖母と奇跡的に連絡が取れたんです。母の居場所は祖母も知らなかったそうですが……。私が育児放棄されていた事実を知った祖母は、大切に育ててくれました」