私の愛した彼は、こわい人
閉店後。
その日の業務を終え、ロッカー室で着替えをしながら私は鞄の中を整理していた。
隣には、同僚のコハルもいる。
彼女は高校の同級生でもあり、数少ない私の友人だ。明るい性格の持ち主で、はっきり物を申すタイプである。
「ねえねえ、アスカ」
「なに?」
「ずーっと気になってたんだけどさぁ」
コハルは私の鞄を指さした。
「それ。いつもバッグに付けてるよね。だいぶ年季入ってない?」
コハルが注目しているのは、青い御守りだった。
四歳の頃から今までずっと身につけている、私の大切なもの。
「可愛いバッグにそれは合わないよ。最近買い換えたでしょ。さすがに外したら?」
「ううん……この御守りは外したくない」
「そんなに大事なの?」
「うん」
「あ! もしかして、元カレからとか!? 今カレが妬いちゃうよ~」
「そうじゃないの」
「なんかワケあり?」
「それは……」
詳細は──語りたくない。
私が養護施設で過ごしていたことは誰にも話していないし、これからも話さないと思う。リュウお兄さんとの思い出も、自分の中だけに秘めておきたいんだ。
その日の業務を終え、ロッカー室で着替えをしながら私は鞄の中を整理していた。
隣には、同僚のコハルもいる。
彼女は高校の同級生でもあり、数少ない私の友人だ。明るい性格の持ち主で、はっきり物を申すタイプである。
「ねえねえ、アスカ」
「なに?」
「ずーっと気になってたんだけどさぁ」
コハルは私の鞄を指さした。
「それ。いつもバッグに付けてるよね。だいぶ年季入ってない?」
コハルが注目しているのは、青い御守りだった。
四歳の頃から今までずっと身につけている、私の大切なもの。
「可愛いバッグにそれは合わないよ。最近買い換えたでしょ。さすがに外したら?」
「ううん……この御守りは外したくない」
「そんなに大事なの?」
「うん」
「あ! もしかして、元カレからとか!? 今カレが妬いちゃうよ~」
「そうじゃないの」
「なんかワケあり?」
「それは……」
詳細は──語りたくない。
私が養護施設で過ごしていたことは誰にも話していないし、これからも話さないと思う。リュウお兄さんとの思い出も、自分の中だけに秘めておきたいんだ。