【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
航太の手のひらの温もりが、紗良の指先から胸の奥までじんわりと広がっていくのを感じた。
周期的な熱のこと――確かに思い当たる節はあった。
けれど、病院に行くほどでもないと、自分の中で勝手に線を引いていた。
それに、仕事も忙しいし、父のことで神経を張りつめていた時期でもあった。
「こんなこと、きっと誰にも理解されない」と思っていた。
その自分の“見えない不安”に、航太がそっと触れてくれた。
「紗良のこと、大切に思ってる。だからこそ、ちゃんと知っておきたいんだ」
その言葉が、胸の奥にやさしく届く。
どこかで、自分は愛される資格なんてない――
そんな風に思っていた日々を思い出す。
だけど、目の前の彼は違った。
自分の不完全なところも、心配をかけるところも全部引き受けると、何のためらいもなく言ってくれる。
気づけば、目元がじんわりと熱くなっていた。
「……ありがとう、航太くん。そう言ってくれるだけで、すごく安心した」
そう伝えるのが精一杯だったけれど、紗良は心の中で繰り返していた。
“この人に出会えてよかった”――と。
彼の手を、そっと握り返した。
その温もりが、紗良の小さな覚悟を後押ししてくれるようだった。
周期的な熱のこと――確かに思い当たる節はあった。
けれど、病院に行くほどでもないと、自分の中で勝手に線を引いていた。
それに、仕事も忙しいし、父のことで神経を張りつめていた時期でもあった。
「こんなこと、きっと誰にも理解されない」と思っていた。
その自分の“見えない不安”に、航太がそっと触れてくれた。
「紗良のこと、大切に思ってる。だからこそ、ちゃんと知っておきたいんだ」
その言葉が、胸の奥にやさしく届く。
どこかで、自分は愛される資格なんてない――
そんな風に思っていた日々を思い出す。
だけど、目の前の彼は違った。
自分の不完全なところも、心配をかけるところも全部引き受けると、何のためらいもなく言ってくれる。
気づけば、目元がじんわりと熱くなっていた。
「……ありがとう、航太くん。そう言ってくれるだけで、すごく安心した」
そう伝えるのが精一杯だったけれど、紗良は心の中で繰り返していた。
“この人に出会えてよかった”――と。
彼の手を、そっと握り返した。
その温もりが、紗良の小さな覚悟を後押ししてくれるようだった。